1月
卒論が書き終わっていなくて大変な年明けだったにもかかわらずなぜか突然「大学生のうちに映画をたくさん見ておきたい」という欲求に駆られ週に5〜6本くらいのペースで映画を観はじめる。この時ジェレミー・レナーにハマる。
結局は卒論を提出できたものの数週間後に試問が大炎上し寝込み院試勉強が全く手につかず、結局そのまま試験を受ける。
2月
なぜか院試に通るも翌日だか翌々日に留年する。毎日ゲームをしたりゲームの2次創作をしたり映画を観たりして過ごす。
3月
就活をはじめることになったがあまり記憶がない。毎日ゲームをしたり映画を見て過ごしていた。
ゲームの2次創作を韓国のBLオタクの方が有志翻訳してくださったのは確かこの頃だったように思う。
4月
就活をしていたはずだがあまり記憶がない。毎日ゲームをしたり映画を見て過ごしていた。また冗談で言っていたジェレミー・レナー出演作全レビュー(仮)に賛同者が続々と集まり企画が走りはじめる。
5月
就活をしていたはずだがあまり記憶がない。毎日ゲームをしたり映画を見て過ごしていた。
6月
いわゆる「全落ち」状態になり呆然としていた。方針を変えて就活を続けてはいたものの、何も未来が見えないなと思いながら毎日ゲームをしたり映画を見て過ごしていた。
でも深夜バスと安カプセルホテルを泊まり歩いたのは旅行感覚でわりと楽しかった。
7月
就活が終わったので毎日ゲームをしたり映画を観たりして過ごしていた。
8月
中学生の時から尊敬している作家が自分の大学に集中講義をすることになっていて、直前まで行くのを迷っていたが、結局行くことにした。後輩にお願いして先生だけの打ち上げに参加させてもらったりした。授業がめちゃくちゃよかった(大学で受けた授業で一二を争うくらい)し、行ってよかった。
あとは市民オーケストラにエキストラで参加していたのでその練習をしていた。
9月
Netflixの『ナルコス』を観たりソーシャルゲームをするだけの暮らしが虚しくなったので生活にハリを出そうと大学のオーケストラに戻った。生活にハリを出すという以上の意欲も特になく、1年半もまともに弾いてないんだし隅っこの方でチマチマやろうや、と思いながら練習に行ったんだけど……良くも悪くもそうはならなかったですね。
映画を観るペースはガタ落ちしました。
10月
突然予定が増えたため体調を崩したりぎっくり背中になったりしていた。
11月
12月
ジェレミー・レナーに会い擬似的な宗教体験をした。
*
何かをはじめることなしには何かを得ることはできない、ということを実感した年だった。
たとえば映画。きっかけが何だったのかはもうよく覚えていないが、とにかく1月から1年かけて100本ちょっとの映画を観た。
3日にいちど90分〜2時間。こう書くと大したことはないように思えるかもしれないが、これは例えば楽譜も読めないようなこどもがピアノをこのペースで練習していれば1年後には簡単な曲が弾けるようになるくらいの時間だと思うし、そもそも私は今まで趣味として映画を観る習慣のなかった人間だ。映画の鑑賞を楽器演奏のような“技術”として捉えるならば、いまでは「ちょうちょ」や「チューリップ」くらいは弾けるようになったのではないかと思う。
その一方、私にはものごとを完遂する能力がない、ということに何度も何度も突き当たる1年だった。終わりまでやりきること、あるいは何かを継続することに対する困難。それは院試や卒論、あるいは就活に悪影響を及ぼしただけではなく、同人活動や淀み交響楽団の運営といった楽しいはずの営為さえ重荷に変えていった。
これは、どうしたものかわからない。わからないまま、すべてが何となく終わっていき、何となくまた同じ“苦しみ”を味わうのだろうという気がする。いま抱えていることに関しては絶対にどうにかして完遂するつもりだが……その先はわからない。
管理の部分を外注する、自分はそれ以外の作業に徹する、というのが一番いいような気がするのだが、いかんせん自分が発案者となるとそういうわけにもいかないことの方が多い。たいへんだ。
*
☆2018年よかった映画TOP10(順不同)
◎クリストファー・マッカリー『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018、147分)
シリーズ4&5作目であるゴースト・プロトコルもローグ・ネイションもそれぞれかなり良い(特にローグ・ネイションは今どきちょっとないクオリティの魔術的サスペンス映画だ)……のだけど、何というか6作目である本作は「これがアメリカのアクション映画だ!」をものすごい勢いで投げつけられた感じがするというか、意味はないけどすごいヘイロー降下ワンカット撮りもあるし、トム・クルーズは意味がわからないくらい身体を張っている。なぜかトム・クルーズがビルの上を全力疾走しているのをヘリ撮影しているのを見るだけで感動してしまうという作品だった。あと無精髭のヘンリー・カヴィルがめちゃくちゃキュートだった。
◎ゴア・ヴァービンスキー『ローン・レンジャー』(2013、150分)
同名の西部劇ドラマシリーズのリメイクらしい。パイレーツオブカリビアンの最初の3部作をご覧になった方なら「あーあのノリね」と分かって頂けることと思うが、先住民族役のジョニー・デップは終始あのノリなのでそれだけでもだらっと見れてしまうし、最後のアクションシーンに至っては並走する二台の蒸気機関車の間を馬とハシゴを使って大立ち回りをするうえ重装騎馬の足取りのごとくめちゃくそ重たいウィリアムテル序曲(ピンチになるとハンス・ジマーになる)まで掛かる。就活でつらい時期に見たので号泣してしまった。
◎ジョン・フォード『アパッチ砦』(1947、127分)
アパッチもの。軍人さんが綺麗な娘さんと厳しい父親の目を掻い潜って逢引したりダンスパーティがあったりなんだりというストーリーがずっと続き、それはそれで楽しめるのだが、最後の30分でちょっと呆然としてしまうくらい人が死ぬ。馬が通り過ぎたあと抵抗もなく死体だけが残るというような冷たい撮り方。
騎馬隊が列なして走っていくのを地面に穴掘ってアオリで撮るという恐ろしいシーンがあり、人命が安い時代の映画だ〜! となること請け合い。
◎スティーブン・スピルバーグ『戦火の馬』(2011、146分)
第1次世界大戦と馬の話。
シナリオを含む人物造形から細かい撮り方まですべてが異様に輪郭がくっきりとしていて、それが素晴らしいと思った。これだけくっきりしているからこそオムニバス形式が映えるというか……民話調の冒頭も、とてもスピルバーグらしく寒々しい脱走兵の兄弟の処刑シーンも、そして鉄条網に絡まった馬を敵兵同士が助け合ったり視力を失った主人公の元に戦場をたらい回しにされていた馬が帰ってくるといった奇跡譚が、何の矛盾も違和感もなく同居できているのは、ひとえにこの輪郭の明瞭さのおかげなのではないかと思う。
◎ベン・アフレック『ザ・タウン』(2010、125分)
もう2018年終わるからあとの映画は雑でいい? ベンアフ、早くアル中なおるといいね……。
◎ウィル・グラック『小悪魔はなぜモテる!?』(2010、92分)
監督の手際がいいで賞。ベッドで飛び跳ねるシーンは2018年いちばん笑ったかもしれない。
◎ヴィクトル・エリセ『ミツバチのささやき』(1973、99分)
子供を通して描かれる濃密な“死”の雰囲気に恐ろしいほどの霊感が籠っていたので。
絶対に信用できないジェレミー・レナーvs.不幸な最期を遂げることが登場1秒でわかるホアキン・フェニックス ファイッ
コーエン兄弟、親を撮影所システムに殺されたとしか思えない。ぶっといスーツ着てのしのし歩くジョシュ・ブローリンがかわいい。
◎オリヴィエ・アサイヤス『カルロス』
テロリストを徹底的にモラトリアム人間として描く手付きが妙に頭に残る。何にもなれぬまま都合のいい“所有物”にされていく様がかなしい。
☆よかった映画 BL編 簡易コメントつき
◎〈キャプテン・アメリカ〉3部作
MCUを通しで観た感想が「強いて言うならバキステ」だったので
人間の撮り方がきれいすぎないのがよい
転落モノは脳にいいんですよ
◎ヒート
これがクソデカ感情だ
◎グッドモーニング・バビロン!
オチがuser数2000付くシリアスものSSのそれ
女を共有しようとするんじゃないよ
兄弟っていいですね
◎ヴェラクルス
よく考えたら全然BLじゃないかもしれない
◎戦火の馬
馬と人間のラブ
◎セーラームーンR劇場版
開始数秒でBLの花が出てくる