◎1日目
8:00
起床。Sleep No Moreプレイヤーの朝は早い。
前日に関空近く(つってもりんくうタウン駅徒歩15分)の宿を取っていたので余裕をぶっこいていたが、エアソウル(LCC)は仁川空港以外だとオンラインチェックインしても電子チケットが発見されないことが判明し、大慌てで入浴して家を出る。
エアソウルのカウンターで券をもらう。LINEフレンズとコラボしており大変かわいいデザイン。

出国してクレカ会員ラウンジ的なところでコーヒーを飲む。関空の会員ラウンジって今年の1月くらいまではホテルのラウンジみたいな謎のゴージャス空間もあったんだけど、リニューアルでコワーキングスペースみたいな貧しい空間になっちゃった。まあそのゴージャス空間でやってたことってばかうけ(煎餅)とか無限エビ(煎餅)とかで機内食までの飢えを凌ぎつつスマホ充電だったけど。

エアソウルは座席が広くてモニターあって充電もできてよかったけど爆睡してたから映画とかは見れなかった。そしていま思えばここでマクベスを読み返していればよかったけど、機内で新作のプロットを書いていたのでした。
12:00
仁川国際空港に到着。入国列で30分くらい並んだ気がする。土曜だし人も多かったのかな?
まだ時間に余裕もあるだろうと思ってお昼。仁川国際空港内でよくあるフードコートで豚肉の薄切りの汁物とポッサムの定食を食べました。おいしかったけど料理の名前全然思い出せん。
前回の旅行で余らせていた30000ウォンをTmoneyカードに突っ込んでAREX(空港直通列車)に乗る。わたしは予約ということができないので各駅停車。ソウル駅で4番線に乗り換えて忠武路駅で降りると、駅前にすぐ会場である「マクキタン・ホテル」が。
14:45
マクキタン・ホテル(マジのホテルというわけではなく、ホテルを模したシアター)は8階建で、NYでの10数年にも渡るロングランを終えてソウルを公演地にしたとき、ちょうど閉業した映画館を改装したものとのこと。
入場時間が区切られていて、早く入ると早く観れるということだった(この時点でそれがどういうことなのか一切分かっていない)。わたしは5番目。14:45入場の列に並ぶ。パスポートと電子チケットをチェックされて右手にホテルのロゴのスタンプを押される。

入り口でトランプを渡される。黒の10。クロークではスマホの電源を切るよう言われ、ロック付きのセキュリティポーチに入れて返される。常に身につけろとのこと。それから通路に放り出されるんだけど、まあこれが暗いこと! 人にぶつかったら嫌だから「ああ〜〜」って声出しながらゾンビウォークした。
明るいところに出て、トイレに行って、バーエリアに。ここはプレイエリアと外界の間の空間という感じ。ワンドリンク付きだったけどだらだらトイレに行っていたため間に合わず、バーテンダーのお兄さんに日本語で「終了30分前に来てもらったらサービスします」と言われる。
やがて黒の10の客が集められ(一番最後の組)、プレイエリアに入る。バーの歌手のおじさんが英語で説明をしてくれて、放送で韓国語で同じ説明をしている(多分)。配布されたマスクを常にすること、話さないこと、遠巻きに見ることなど注意事項を伝えられる。
何人かはすぐそこのドアに通され、残りの一部はエレベーターへ。わたしはエレベータ組。ある階で一人だけ降ろされたりしたけれど、私はストリートのあるフロアで何人かとともに降ろされる。
ここから先は脈絡のない断続的な記憶しかないのですが……
①まずストリートでいろんな部屋に行く。
棺のある部屋(いま思うと魔女の部屋?)
仕立て屋の部屋とか標本部屋とかもひと通り見る
何が何だか分からないのでいろいろな階をうろうろする
②おうちゾーン(6階)
いま思うとマクベスの家ゾーン?
仕立て屋? が乳母車のある長い通路で何かに憑依されるようなマイムをしながらどんどん下がっていくのを見た
外の泉があったのってこのフロアだったっけ…(おじいさんが水を浴びていた)
③精神病院? 保育所?(7〜8階)
仕立て屋が何かを鎖に繋ぎに来ていたけど何だったの…?
看護師と看護師(いま思うとマクベス夫人?)のデュオ
墓っぽいものを掘り返していた
シーツを二人で折りたたんで十字架にするデュオ
④ストリートゾーン(5階)奥の舞台
赤いドレスの女と男が踊っていて、カタルシス感のあるストリングスとともに時計の音がなる(この二人がよく考えると誰だかわかんない、この瞬間ってほとんどのキャストがホテル客室のゾーンにいるんじゃないの?)
⑤ホテル客室(4階?)
おじいさん(いま思うと父王?)がうろうろしている
⑥ホテル受付(3階?)
ホテルマンが泥酔しながらシーツを剥がしていく
ショットグラスを頭に乗せて歩いたりしてくれてよかった
妊娠している女(マクダフの妻?)がやってくる
ホテルマンが男(マルコム?)にテレフォンブースの中でボコボコにされる
(おまけ)ちょっと暑いしバー(2階)に戻ったらお水とかもらえるんかなと思って戻ったらちょうどバンドが生演奏タイムで、韓国系の歌手の人に「マスクをはずせ〜〜〜うぇ〜〜〜〜いスマ〜〜〜〜イル」みたいな感じでマスクを引っ張られて引きずり回される。
バーテンダーのおにいさんに「ドリンク提供タイム終わってしまいました」と言われる(ガビーン)。
2時間こんな調子だったってワケ。やがて最後の晩餐に誘導され、首吊っとるな……みたいになっておしまいに。
この時点での感想はだいたい
・何が何だかわかりゃしないわよ
・私がマクベスだと思ってた話、オテロだった……(どこかで気付けよ)
・前日に友人から男性の裸(というか部分)が2度見れるって聞いたのに1度も全裸の男性に出会わなかったんですが!?
みたいな感じでした。
17:00
友人と隣のバーガーキングで合流。なぜか日本語メニューの存在を無視して韓国語で普通のトマトバーガーセットを頼んだつもりが、ヤンニョムシーフードソースみたいなものが入っている。おいしいけど辛い。
友人に以下のことを教えてもらう。
・マクベスのあらすじ
・公演はループ構造になっている
・チンチンはでかい風呂のあるホテル客室とストリートで見られる
「「全て」」を「「理解」」した状態で2回目の公演へ。
18:45
1番目の入場列に並ぶ。明らかに私が並んでいた最初の回(5番目の入場)より長い。Trip.comの電子チケットにはなぜか19:00入場と書かれているため2番目入場の列に動かされそうになったが友人がスタッフに質問をして1番目入場で入れました。
バーにさっきのお兄さんが居て、「あ、さっきの……」みたいになる。ノンアルコールカクテルを注文したはいいけどクソ甘くてやばい。カルピス原液でいってるみたいな気持ちになる。でも8階建てのビルを駆けずり回るのを思うとこのくらいエネルギーが入っていた方がいいのかも。
プレイエリアの入場はホテルのフロアから。今回は1番目の入場だけど、もっと早い入場があるので普通に途中からではあるので、入ったらいきなり殺人事件が起きていた。父王がベッドから運ばれていく。フーンつって何となく別フロアに移動したらいきなりマクベスのお風呂シーンに遭遇する。人だかりすごい! みんなそんなにメールヌードが見たいのか!?(主人公だからだよ)
とりあえず全裸発生箇所①を特定したのでもう全クリでしょみたいな気持ちになり、次の周回までうろうろしてバーで水を飲んでいると2周目がはじまる。今度は最初からお風呂に行けた。あとその後ぼんやりサバトのシーンを見ていたら魔女が全裸になっていることを発見した。そしてそのあと魔女は自分の部屋に帰ってシャワーシーンに。メールヌード追っかけルートの最適解が構築された瞬間であった。
ここまで見たらだいたい舞台上では最後の晩餐が始まっていて、もういいかと思ってバーでダラダラしてたんだけど、待てど暮らせど他の客が戻ってこない。あれ?と思ったけどそれは当たり前で、最初の回から入っていたら3周目があるということにあとになって気付いた。急いで上に戻ったらまたしてもマクベスのお風呂シーンに遭遇(私自身がループしてる?)。相変わらずお客さんがたくさんいたので窓の外から見てたんだけど、マクベスとマクベス夫人がこちらをじっと見ていた気がした……(ホテルの部屋の窓は外から月光みたいなライトが当たっているため私がおもろい感じになってしまっていた可能性はある。

◎全体的な感想
ストーリーについては『レベッカ』(ダフネ・デュ・モーリア/ヒッチコック)の要素があるということを完全に知らずに見ていたため、把握できてなかったり勘違いしていたりが多いかもしれない……あと上海公演は白蛇伝説のはなしになっているとのこと。
◎振り付けについて
・お客さんがどこに立っているかで調整しなければいけないという意味での即興も含め、極めてよく出来ているとは思う。
・割れ物がたくさん置いてある狭いスペースを利用した窮屈なアクロバットには素直に感動する。
・しかし1時間という軸の中で物語を追わなければいけない以上はデュオのネッチョリした絡みとかって見てらんないよなと思った。保育所のデュオでシーツを十字架にするのに数分掛けてたの本当に謎だった……
・音楽が基本的によくわからんドローン音しかないので何をどう見ていいのかわからなかった
◎舞台について
・大道具・小道具ともに作り込みがすごい
・手紙とか本当に全部書いてあるんだけど読んだらなんかわかるんかな?
・どこの部屋か忘れたけど、棚が内側から光ってるな……と思ったら塩の像?だったりした
・照明とか音響とかどこからどう制御してるんだろうと思った
◎体験について
・コンテンポラリーダンスである以上はどう見てもよいのだと思うけど、近くで見るということにそこまでの感動はなかった
・やっぱあたしゃ舞台がある方が好きだねえ……
・ほぼノンバーバルなのはいいなと思った
・客が別の客をアクターだと勘違いしてビクッとするみたいな瞬間は面白かったかもしれない
・アトラクション(ゲーム?)としては無類に贅沢だしすごいと思ったけど、ダンス作品としてはちょっとあんまりわかんないかな……
・首吊りを見せるというのはけっこうグッとくるところはあった
・裸を追いかけて裸を追いかけていないときはほかの階で何が行われているかちょっとずつ見るみたいなことをしていたので移動距離がヤバかったし暑かった。バーでの水分補給は必須です(水飲める)。
こぼれ話なのですが、2回目の3周目の最後に何となくお風呂の近くに行ったら、なんかお風呂のそばに黒い布が落ちてたんですね。何なんだろうって思って拾ったら、多分マクベスが履いてたパンツでした。そんなことある?
アクターとの1on1には一回も巻き込まれなかったのにパンツとのインタラクションが生じたのおもろかった。すごい濡れてたんだけど、水じゃなくて汗……だったのかな……。
人が履いてたパンツを拾うことってなかなかないなと思った(犯罪だしな……)
22:00
友人と近くのかき氷屋でお茶をする。日本語メニューの存在をガン無視して韓国語メニューで適当に注文をしたら、きな粉かき氷は大丈夫だったけどタピオカと思ったものはブルーベリーだったし、アイスティーはクソ甘かった。
24:00
友人と改札で一旦別れて、私の宿泊先である東大門駅近くのカプセルホテルに移動。韓屋風のラウンジがきれい。なんかカップ麺ひとつ無料でOKとのことだったので食べて就寝する。カプセル内の換気扇の音がバカでかいので付けずに就寝したけどちょっと寝苦しかった。
◎2日目
6:00
なんか疲れすぎて早く起きてしまった。シャワーを浴びてラウンジでコーヒーメーカーを起動しようとしたところで50歳前後くらいのおじさん(雪に埋まりながらウォッカを飲むソローキンに似ている)に話しかけられる。
おじさんは20年くらいコンサルで働いており、今まで使ってこなかった休暇を寄せ集めてサバティカル休暇を取っているらしい(フランス人なのに英語が聞き取りやすいなと思ったらそういうことだった)。暑すぎるのでもう帰りたいと言っていた。
7:30
友人がホテルの方まで来てくれると言うのでちょっと早く出て散歩をする。ホステルは東大門の近くの市場のただなかにあって、なかなかに風情を感じる。今どきめずらしいくらい薄汚い猫がいる。

合流してパン屋に向かうも、1軒目2軒目とあまりピンと来ない店だったのでパリバゲット(ソウル中にあるチェーンベーカリー&カフェ。関西で言えばCASCADE)に行く。私はオニオントーストとエッグタルト、カフェラテを頼む。いい加減麻痺しているけどよくよく考えたらこのカフェラテデカすぎる。窓から公衆トイレが見えるけどなんか虹色に光るネオンが上に付いていて謎。
10:00
本日の唯一の目的であるDDPデザインセンターへ。私はここでヘチ(해치)のグッズを買うと決めていた。
ヘチは2008年からソウル市のマスコットキャラクターを務めているキャラクター。もとは東アジアの伝承上の神獣・獬豸(かいち)で、韓国だと光化門の入り口にも狛犬的な感じで置かれている。
ヘチ、そしてヘチアンドソウルフレンズは公式によってAIのアニメがたくさん作られていて、ソウルを歩いているとビルの巨大モニタとか地下鉄の車内TVなどでもよく目にする。これがなんとまあかわいいんですのよ……。
グッズを買える場所がかなり限られており、これまでのソウル旅行では旅程の関係で泣く泣く諦めていたのだが、今回ついに買えましたよ。
◎買ったもの
・ぬいぐるみ(なんか手に持ってるハートのなかに録音機が入ってた)
・ブラインドフィギュア(キンパのヘチが出てきた)
・陸軍服ヘチ(ゆるキャラの軍事利用……)
・玄武のぬいぐるみキーホルダー(亀を飼っている友人へのおみやげ)
ほかにも3Dシールとかかわいいものいっぱいあった。ツーショも撮ったけど犯罪めいている。
11:00
どうしてもオルガンを見学したかったため明洞大聖堂に寄る。絶対に友人を付き合わせてまですることではない。

19世紀に建造されたカトリック教会で、ソウルの司教座聖堂(パリで言えばノートルダムみたいなもん?)。ここにはBosch社の立派なオルガンが設置されているらしい。
ソウルは渋谷みたいに起伏があるんだけど、教会の敷地も丘みたいになっていた。そしてふもとにあたる部分にはマーケットが開かれていて、地下通路はテナント街(コンビニとかが入っている)。ちょっと見たことのない構造。その他にも敷地内にはハンドドリップコーヒーを出してくれるコーヒーショップなども。聖堂の向かいに「御朱印所」としか言いようのない謎の四角い窓口があったのがちょっと謎だった。
大聖堂はちょうどミサの時間。異教の偶像(ヘチ)を持って見学して大丈夫だったんだろうか……。オルガン演奏は賛美歌の伴奏だけだったけど満足。
13:00
ソウル駅の大極堂という老舗ベーカリー(の支店)でお土産と月餅を買う。適当に買ったらゆず餡の月餅だったらしい。AREXの各停で仁川国際空港へ。17時のフライトにはだいぶ余裕があるのでとりあえず出国前エリアの韓国伝統料理レストランでお昼。友人はサイコロステーキの乗った釜飯、私はプルコギと冷麺のセットを頼む。おいしい。卓上にはトウモロコシ茶が置いてありよかった。
食後にコーヒーでも飲みましょうということになり隣のTWOSOME PLACE(韓国のベローチェみたいなやつ)に行ったはいいのだが。
お茶が、甘い……(2度目)
友人は友人でグリーンティーを頼んだはずなのに抹茶ラテが出てきて飲む気を失っている。
仕方がないので出国後のスペースでスタバに駆け込む。「韓国を出国する前に来られる最後のスタバだよ」と一方的に宣告してくるブックカフェだった。ほとんどがペーパーバックで翻訳文学が充実している。ハングルが読めない私にも韓国文学でかろうじて分かったのはハン・ガンの作品とか。さっき買った月餅も食べる。ゆず餡がうまい。だいたい栗まんじゅう。
飛行機に乗る。チェジュ航空に乗るたび、機内カタログでチェジュの機体を象ったぬいぐるみキーホルダーを買うか買わないか迷っているけど、まだ買っていない。
関空からはるかで京都駅に帰り、ポルタの田ざとで天ざる定食を食べる。うまい。