2021年のわたくし&2022年の目標

◎読む

 本は全然読まなかった。ただ、休日にKindle UnlimitedでBL漫画を上限まで借りて読みまくるということをしていて、これはかなりよかった。読んだ端から忘れていくのですが、よかったものをいくつか。

 松崎夏未『その男、アイドルにつき』

 もうNot Unlimitedですが。アイドルと交際を絶対にしないプロデューサーを描く、というのは簡単だけど単巻でここまで描ける人はなかなかいない。その後〈八咫烏シリーズ〉のコミカライズに抜擢されたことも納得。

 ぱるあ『ブライトブルーに沈む』

 『君の名前で僕を呼んで』にインスパイアされた作品、ということはきっと読み始めてすぐに気付くと思うけど、人物たちの選択は全く違う。いい漫画です。

 山田袋『とろける恋人』

 山田袋『君ありて幸福』

 まさかここまで甘さのないホラーを読むことになるとは、とビビった2作。活動を休止されているのが残念。 

◎観る

 これもあんまりしなかった。

 友人に誘われてオンライン・映画館で観た映画が40本くらい(その友人は250本くらい観たと言っていた)。新作で見たもので印象に残っているのはツァイ・ミンリャン『日子』(エッチなマッサージを受けるシャオカン……)とアダム・マッケイ『ドント・ルック・アップ』(エッチなディカプリオを自立した女たちがメタメタにするおじさんポルノだった)。

 旧作はかなりよかった尽くしな感じ。ウィリアム・A ・ウェルマン『スタア誕生』(スクリーンに一体化する死と衝撃のウォークオブフェイム)フランク・キャプラ『群衆』(最後は全部女記者が見た夢、という解釈を聞いて唸った)同『ポケット一杯の幸福』(グレン・フォードピーター・フォークもいいけれど兎に角ホームレスも淑女も見事に演じるベティ・デイヴィスがいい)増村保造『最高殊勲夫人』(それにしたってバーカウンターでの告白は最高でしょう)ヴァン・ダイク2世『男の世界』(クラーク・ゲイブルがいい男すぎる)アニエス・ヴァルダ『幸福』(怖すぎか?)相米慎二『ラブホテル』(良すぎ)城定秀夫『悦子のエロいい話』(人間が走る映画は最高)など。

◎書く

 二次創作を抜いたら、文字数で言えば4万字くらい。ほとんど今年の後半に固まっていて、ほとんど公募のためにしか書いていなかった。現状ほぼ電子書籍でしか読めません(しかもKindleのみ……)。申し訳ないです。

チャイコフスキーの亀頭」

 約4,000字の短編。第2回かぐやSFコンテストのために制作。

 楽しいコンテストを滅茶苦茶にしたら楽しいかなあと思って提出したもの。コンテストは滅茶苦茶にならずそもそも箸にも棒にもかからなかったのだが、もうええっちゅうねんと思うバズり方をして私が滅茶苦茶になった。

「気楽に出そうよ」

 約15,000字の短編。「チャイコフスキーの亀頭」がバズって怖くなり𝑰𝑵𝑻𝑬𝑹𝑵𝑬𝑻に嫌気が差して書いた小説。私……まだやれます! もう一度だけやらせてください、私の本当の「未来の色彩」……→うんちが七色に光る小説を書く。

 藤子・F・不二雄「気楽に殺ろうよ」が着想元であることがバレたら藤子ファンに殴られると思ったのだがまだ殴られてない。

「エチ十夜 第一夜」

 約2,000字の掌編。BFC3のために制作。

 極限まで圧縮した上に無軌道にネタをぶち込みまくった結果、誰にもオチが伝わらないという結果に。

ブラームスの乳首」

 約2,000字の掌編。BFC3の2回戦に当然進めるものと思って書いたあと、犬と街灯さんでのオープンマイクで朗読するためにちょっと改稿。着想は高校の自分にマラソンの前に言われた「マラソン選手は乳首を保護しないと乳首が取れる」という話と、親知らずを恋人にレジンに封入された状態で返された友人の逸話から。結構気に入っています。

ガガーリンの肛門」

 約6,000字の短編。「チャイコフスキーの亀頭」にある「バラムツの油で宇宙船を飛ばして脱走する話」を書きました。来年1月16日の文フリ合わせで発行する短編集に収録します。

前奏曲、フーガと変奏曲」

 約12,000字の短編。Kaguya PlanetのジェンダーSFの公募に向けて制作(応募時タイトル「オルガヌム」)。最初は奏楽天使の第二次性徴をオルガニストが助けるという話になる予定だったけど単に男性が妊娠するタイプのやおいゼロ年代に絶滅したはずでは?)になっちゃったし当然箸にも棒にもかからず。かぐプラさんには毎回テーマを完全に無視した小説を送り付けている気がして申し訳ない。

 書きはじめた途端フランクとカヴァイエ=コルを出そうという考えになって、パリ旅行で訪れたサント=クロチルド聖堂の記憶が蘇り、ああなった。カヴァイエ=コルとフランス革命後の教会再建の関わりの話、日本語文献がほぼなくて辛いけどいつか長編として書きたいですね。

「斑の末裔」

 約2万字の短編。出来はよくないけど、学生時代に書いた中ではいちばん思い入れのある話です。加筆・修正し、短編集に収録します。   

 

 小説はこんな感じかな。このブログは結構熱心にやってたけど住居にまつわる騒動で日常がメチャクチャになったので休止中。

 

 ◎来年の目標

 また転職をすることを考えて、何かをします。何したらええんやろ。

 それから、長編を書くためにちょっとずつ準備をしたいと思ってます。「ヴォードヴィルの幽霊たち(仮)」という名前のフォルダで作業をしています。ブートレガー・ギャング、フランス外人部隊の駐屯地で起きた大量殺人の謎(「折れた剣」というか「ボー・ジェスト」)、ヴォードヴィルの衰退と映画製作(というわけで限りなくウィリアム・A・ウェルマンをモデルにした監督を出して「つばめ」を撮らせるつもり)、みたいなBLです。あまりにも皆川博子「双頭のバビロン」を読んで書いたんですねという感じがするからもうちょっとズラすかもしれないけど。ケシ畑プランテーション消失トリック&精製工場炎上、とかやってもいいなと思ってたんだけど麻薬密売ビジネスのない時代なので微妙かもしれない。後に控えてる南北戦争ものに譲るか。

 小説を書きはじめた学生の頃はいつか公募に出したかったけど、なんか今となっては公募って、特に長編賞って、待つ時間が長くて……。もしかしたら最初から同人誌か電子書籍で売るかもしれないですね。でも人に見せたいな〜って思ったら直接送るって手もあるんだよな。

 

 それでは皆さま、よいお年を。